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大人にこそ刺さる!東京でいま見たい「エリック・カール」「いわさきちひろ」展。あの名作原画に会いに行こう

執筆者:林 綾野

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キュレーター・アートライターとして展覧会企画や、美術書の執筆を手がける林綾野さんが紹介するアート情報。今回は、東京都現代美術館で開催の『エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし』、ちひろ美術館・東京で開催の、いわさきちひろ『とても素朴なんだけれどたいせつなもの、それが絵本の中にはあるんです。』展をご紹介します。


鮮やかな、創作の工夫
原画からあふれる絵本の魅力

 おなかをすかせたあおむしがりんごやなし、アイスクリームやサラミなど、毎日いろいろなものを食べ、美しい蝶々になる様子を描いた『はらぺこあおむし』は、日本の子どもたちも大好きな絵本。同書の日本語版の出版50周年を記念した「エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし」が、東京都現代美術館で開催されている。

 作者であるエリック・カールは1929年、アメリカ・ニューヨーク州に生まれた。デザイナーとしてキャリアをスタートし、38歳の時に初めての絵本を世に出す。以来、工夫をこらし、遊べて、読める「おもちゃ」のような絵本作りを目指し、生涯で約90冊の絵本を残した。『はらぺこあおむし』を出したのは1969年、40歳の時。切り絵で表された画面は鮮やかで美しい。所々に「穴」があいた仕掛けも楽しく、瞬く間に世界的な人気絵本となった。本展では、同作をはじめ、『パパ、お月さまとって!』など、代表作の原画や貴重な資料からカールの仕事をひもとく。

 練馬のちひろ美術館・東京では「とても素朴なんだけれどたいせつなもの、それが絵本の中にはあるんです。」展が開催中。日本を代表する絵本画家の一人、いわさきちひろ。本展では彼女の遺した日記や手帖を手掛かりにその人物像や創作の軌跡をたどる。アンデルセン童話の挿絵原画や美しいイラストレーションも数多く並ぶ。

 長年読み継がれてきた絵本に込められた想いや創意工夫に着目すれば、作品の新たな魅力が見えてくるだろう。

文=林綾野

この記事を書いた人

キュレイター、アートライター。展覧会企画、美術書の執筆を手がける。画家の創作への想いや食の嗜好などを研究、紹介し、美術鑑賞をより身近なのとして提案。近年手がけた展覧会「おいしい浮世絵展」「堀内誠一 絵の世界展」「柚木沙弥郎life•LIFE展」「谷川俊太郎絵本百貨展」など。主な著作は『フェルメールの食卓』『ゴッホ 旅とレシピ』、『ぼくはクロード・モネ』(講談社)、『浮世絵に見る江戸の食卓』(美術出版社)など。

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