【私の生理大丈夫?】産婦人科医に聞く! 生理の異常 Part2/不正性器出血・数日で生理が終わる・生理周期が長い・経血量が変わる
自分の生理周期や経血の量、生理痛について、「これって正常? それとも異常?」と心配になることはありませんか? 人にはあれこれ聞きにくい生理のギモンについて、産婦人科医の高橋怜奈先生に答えていただきました。
Q1 生理期間以外に出血があります
A それは不正性器出血!症状がなくても受診を
「生理時以外に認められる出血を不正性器出血と呼びます。排卵期に見られる出血は排卵期出血と呼ばれ、ホルモンの作用によって起こる出血なので心配ありませんが、自己判断は禁物です。出血の背景に、子宮頸がんや子宮体がん、性感染症が隠れている場合もあるので、病院に相談して原因を確認してもらいましょう」
Q2 経血量が少なくて生理が数日で終わります
A 2日以内で終わる生理は要注意。経血量の変化は受診の目安
「生理期間は3~7日が正常とされています。2日以内で生理が終わったり、おりものシートで足りるほど経血量が少なかったりするのは過少月経と考えられます。また、子宮内膜が癒着するアッシャーマン症候群という病気や、月経ではなく不正性器出血である可能性も。経血量の変化に気づいたら、婦人科に相談しましょう」
【正常な生理期間は…】3~7日!
Q7 2、3カ月に1回しか生理がきません
A 39日以上間隔があいたら揮発月経で治療が必要
「生理周期が39日以上あく状態を揮発月経と呼びます。原因として排卵障害や、排卵後に分泌される黄体ホルモンの異常が考えられます。治療せずにそのままにすると子宮体がんのリスクにつながるので、受診をおすすめします。また、更年期が近づくと生理周期が長くなることがあります。周期が変化したら受診しておくと安心でしょう」
Q4 生理の軽い月もあれば重い月もあります
A ストレスでホルモンは変動。重い状態に合わせた治療を
「生理の状態はその時のホルモン状態が大きく影響するため、心身のストレスなどによって経血量が変化することは十分考えられます。普段は鎮痛剤なしで生理を乗り切れても、年に1度くらい倒れてしまうほどの痛みがあるという場合は、症状が重い状態をふまえて治療することをおすすめしたいです」
気を付けたい生理って…?
【揮発月経】
生理周期が39日以上あいた状態。正常な排卵が行われていない可能性がある。
【頻発月経】
生理周期が24日以内。思春期や更年期にはよくあるが、性成熟期の場合は要注意。
【過多月経】
1周期の総経血量が 140mL以上で貧血を伴う場合も。子宮の疾患が原因のこともある。
【過少月経】
1周期の総経血量が20mL未満。背景に病気がないか、また不正性器出血との識別も大切。
教えてくれたのは…高橋怜奈先生
産婦人科専門医・指導医、医学博士。医師として勤務しながら、YouTubeやXで医療情報の発信も積極的に行っている。
Text=Yuko Nakajima
※InRed2024年6月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
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