OSHI-KATSU
『秋の隕石 2026 東京』世界基準の舞台作品に触れられる! あらゆる人に開かれたフェスティバル
執筆者:伊達なつめ
演劇ジャーナリスト・伊達なつめさんのおすすめ作品をご紹介。今回は、舞台芸術祭『秋の隕石 2026 東京』をピックアップ。
奥深く独創的で先進的。芸術に身をゆだねる秋
フェスティバルで楽しいのは、まずその名の通り、お祭り気分が味わえること。劇場の周囲でも無料のパフォーマンスやイベントが行われ、いろんなブースも出たりして、通りかかった誰もが足を止めたくなるような賑わいが醸成される。昨年から岡田利規が中心となって開催している『秋の隕石』という舞台芸術祭では、健常者も障がいがある人も、日本語話者もそうでない人も、異性愛者も同性愛者も無性愛者もそれ以外の指向者も、元気がある人もない人も、あらゆるシチュエーションにある人に開かれたフェスになることを目指して、プログラムとアクセシビリティに配慮が為されている。看板だけのダイバーシティしぐさとは異なる、世界や日本の多様なリアルに向き合う攻めのラインナップだ。
いまドイツ語圏でもっとも注目されている気鋭の演出家クリストファー・リューピングは、ベルリンで絶賛上演中の『渇望』を引っ提げ初来日を果たす。恐怖・差別・性暴力など、地獄のようにネガティブな現実を羅列し前世紀末に28 歳で自死したサラ・ケインの言葉は、30 年近く経った今こそ私たちに刺さるというリューピング。観客とシェアすることを第一に考え、衝撃を希望につなげるまでを演出の責務とする姿勢は信頼すべきものだ。

この記事を書いた人
演劇ジャーナリスト。演劇、ダンス、ミュージカルなど、国内外のあらゆるパフォーミングアーツを取材し、多数の雑誌・webメディアに寄稿。
X:@NatsumeDate
Website:http://stagecalendarcv19.com



