演劇ジャーナリスト・伊達なつめさんの一押しステージ情報【5～7月公演作品】
InRed本誌のステージ連載を担当する、演劇ジャーナリスト・伊達なつめさんのおすすめ作品をご紹介。今回は、『虹む街の果て』、インバル・ピント『リビングルーム』、COCOON PRODUCTION 2023『パラサイト』の3本をピックアップ！
伊達なつめ
演劇ジャーナリスト。演劇、ダンス、ミュージカルなど、国内外のあらゆるパフォーミングアーツを取材し、多数の雑誌・webメディアに寄稿。世界ステージ・カレンダーwithコロナ
100年後の情景として、前作をリクリエーション
『虹む街の果て』
2021年初演より 撮影＝田中亜紀
コインランドリー、スナック、たばこ屋、中華料理店……。横浜・野毛あたりにありそうなリアルな軒並みを建て込み、そこに暮らす人々の日常を淡々と描いた前作『虹む街』から2年。同じ場所の100年後の情景を出現させるというタニノクロウ。「人が出入りした痕跡を残す」ため、開場時には観客もこの装置に足を踏み入れ自分の気配を残せる趣向。ひらかれた空間へ。
作・演出＝タニノクロウ
出演＝渡辺庸介（パーカッショニスト）、赤星 満、神奈川県民を中心とした街の人たち
5月13日（土）、14日（日）、20日（土）、21日（日） KAAT神奈川芸術劇場＜中スタジオ＞
（問）チケットかながわ TEL 0570-015-415
ユニークでチャーミング！ 繊細なダンスに魅了される
インバル・ピント『リビングルーム』
© Edouard Serra
とかくエッジイなイメージのあるコンテンポラリーダンスを、キュートだったりクスッと笑えたりする不思議で親しみやすいパフォーマンスにしてきたインバル・ピント。最新作で繰り広げるのは、リビングルームの壁や家具が意思を持ち、人間は自身の身体を制御できなくなってゆくシュールな世界。
振付・衣裳・舞台美術＝インバル・ピント オリジナル楽曲＝マヤ・ベルシツマン
出演＝モラン・ミュラー、イタマール・セルッシ
5月19日（金）〜 21日（日） 世田谷パブリックシアター
（問）世田谷パブリックシアターチケットセンター TEL 03-5432-1515
映画賞席捲の衝撃作を、日本版として舞台化！
COCOON PRODUCTION 2023『パラサイト』
映画『月はどっちに出ている』などの脚本や舞台『焼肉ドラゴン』などの作・演出で、在日コリアンの置かれた境遇とその突き抜けたキャラやエネルギーを描いてきた鄭義信が、カンヌでパルムドールを受賞したポン・ジュノ監督の『パラサイト』を舞台化。キャストもことごとく全員ベストすぎて期待値が跳ね上がり状態だ。
原作＝映画『パラサイト 半地下の家族』 台本・演出＝鄭 義信
出演＝古田新太、宮沢氷魚、伊藤沙莉、江口のりこ／キムラ緑子、みのすけ／山内圭哉、恒松祐里、真木よう子／青山達三、山口森広／田鍋謙一郎、五味良介、丸山英彦、山村涼子、長南洸生、仲城 綾、金井美樹
6月5日（月）〜7月2日（日） THEATER MILANO-Za ※大阪公演あり
（問）Bunkamura チケットセンター TEL 03-3477-9999
文＝伊達なつめ
※InRed2023年6月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
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