『マティス 自由なフォルム』キュレーター・林綾野さんが語る30代女子にオススメのアート情報

執筆者:林 綾野

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キュレーター・アートライターとして展覧会企画や、美術書の執筆を手がける林綾野さんが紹介するアート情報。今回は、国立新美術館で開催中の『マティス 自由なフォルム』をピックアップします。


輝く色、弾む形、伸びやかな造形。モダンアートの源流を楽しむ

 美しい色とモダンな表現で世界中の人を魅了する画家アンリ・マティス。その切り紙絵に焦点をあてる『マティス 自由なフォルム』が開催されている。

 1869年、フランスに生まれたマティスは20歳の時、病気療養中に母から絵具箱を贈られたことをきっかけに絵を描き始めた。セザンヌやゴッホから影響を受けながら自由な色彩表現を用いて独自の絵の世界を深めていく。

 本展ではマティスが晩年に取り組んだ切り紙絵の代表的作品、《ブルー・ヌードⅣ》をはじめ、日本初公開となる幅8mを超える大作《花と果実》も展示。明るくリズミカルな大画面を前に自由で伸びやかなこの画家の作品世界を思い切り謳歌したい。さらにマティスがその芸術の集大成として作り上げた南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂の装飾を再現。聖母子など陶板壁画と「生命の木」をモティーフとしたステンドグラスが生み出す神秘的な空間を体感できる特別な機会となるだろう。

アンリ・マティス《ブルー・ヌード IV》 1952 年 切り紙絵 103×74㎝ オルセー美術館蔵(ニース市マティス美術館寄託) ©Succession H. Matisse Photo: François Fernandezアンリ・マティス《ブルー・ヌード IV》
1952 年 切り紙絵 103×74㎝
オルセー美術館蔵(ニース市マティス美術館寄託) ©Succession
H. Matisse Photo: François Fernandez

期間/開催中~5月27日(月)まで
休館日/火曜日(ただし4/30は開館)
住所/東京都港区六本木7-22-2
期間/国立新美術館 企画展示室 2E
電話/050-5541-8600(ハローダイヤル)

文=林綾野

※InRed2024年5月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください。
※地震や天候などの影響により、イベント内容の変更、開催の延期や中止も予想されます。詳細は各お問い合わせ先にご確認ください。

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この記事を書いた人

キュレイター、アートライター。展覧会企画、美術書の執筆を手がける。画家の創作への想いや食の嗜好などを研究、紹介し、美術鑑賞をより身近なのとして提案。近年手がけた展覧会「おいしい浮世絵展」「堀内誠一 絵の世界展」「柚木沙弥郎life•LIFE展」「谷川俊太郎絵本百貨展」など。主な著作は『フェルメールの食卓』『ゴッホ 旅とレシピ』、『ぼくはクロード・モネ』(講談社)、『浮世絵に見る江戸の食卓』(美術出版社)など。

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