【マネー相談】妻はフリーランス・夫は自営業。老後の資金、どうためるのが正解?
今後の人生計画が見えてくる30代は、長期的なマネー計画を立てるべきタイミング。そこで、ライフスタイルに合わせたマネーの悩みや不安にプロがアドバイス。今回は、フリーランスや自営業の人のためのマネーのコツを伝授!
フリーランスの老後の備えにつみたてNISAでは不安!?
今回の相談者は…R.Kさん
妻 R.Kさん(34歳・ライター)
夫(37歳・飲食店経営)
マネーDATE
年収:妻400万円/夫500万円
貯蓄:妻200万円/夫400万円
自身はフリーランスで夫は自営業のR.Kさん。「夫婦ともに国民年金にしか加入しておらず、会社員ほど公的年金がもらえないので、老後の備えが必要だと考えています。預金ではあまりにも利息が少ないので、つみたてNISAを始めましたが、減る可能性もある金融商品に頼っていることが心配です。途中で暴落したら老後の資金がなくなってしまうので……。少しでもリスク分散になればと、私と夫で違う国のインデックスファンドを選んでいるなど工夫はしているつもりです。また、フリーランスなので、働けなくなった時に収入が減ってしまうかもしれないのが心配です。老後に向けた備えとして何をすべきでしょうか?」
【プロが答えます!】フリーランスの老後資金作りには「小規模企業共済」を活用すべし
「さまざまな記事で取り上げられる機会が多いつみたてNISAやiDeCoが注目されがちですが、自営業・フリーランスの老後資金作りの王道は『小規模企業共済』。小規模企業の経営者や自営業者が、廃業や退職時の生活資金などのためにお金を積み立てておく制度です。国の機関である中小機構が運営していて、月の掛け金が1000円以上7万円までで自由に設定でき、全額所得控除になるという大きなメリットがあります。貯まっているお金があれば、貸付限度額の範囲内で借りることも可能です。余力があれば、小規模企業共済に加え、iDeCoやつみたてNISAも検討し、3つの制度をバランスよく活用しましょう。また自営業こそ、何かあった時にいつでも使える預金が大事です。病気やケガで入院すると、収入が途絶えるリスクがあるため、すぐに使える預金が少ないうちは、掛け捨ての割安な医療保険への加入を検討しましょう」(深田さん)
解説してくれたのは…深田晶恵さん
ファイナンシャルプランナー、生活設計塾クルー取締役。著書に『知識ゼロの私でも! 日本一わかりやすいお金の教科書』(講談社)などがある。
取材・文=生島典子 イラスト=小迎裕美子
※InRed 2022年4月号より
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください