【インレッド的女子のための本棚】「美肌投資」著者・美容エディター吉田瑞穂さんが推薦する2冊の本を紹介
執筆者:InRed編集部
InRed世代に読んでほしい書籍をご紹介!今回は、『美肌投資』(扶桑社)を発売した、美容エディター・ジャーナリストの吉田瑞穂さん推薦の2冊です。
美しさの多様性と脳内で定義される美の深淵
美容ページに掲載する写真を選ぶたび、自分の感覚を疑います。「私はこの写真を美しいと思ったが、皆そうだろうか」と。この世には黄金比のものですら否定する人がいる。美に対する眼差しの多様性の裏に、網膜で像を結び脳に情報が送られる時点で何か違いがあるのかも。そんな疑問から「脳内で定義される美」をテーマに選書しました。
1冊目は『天才と発達障害―映像思考のガウディと相貌失認のルイス・キャロル』。この本と出合った頃、長女を産んだばかりでした。二人の天才を通し、脳の偏りが極まると美もまた極まる例に感嘆するとともに、認知様式の差異で目に映る世界がまったく違うことを痛感。子育てもその視点を大切にしようと思ったと同時に、自分の美的感覚を疑い続けると決心した本です。
2冊目は、言わずと知れた名作『金閣寺』。現在の娘と同じ頃(中学時代)に読みました。金閣を通して「現実の美」と、主人公の「脳内で定義された美」の衝突を目の当たりにします。やや自己陶酔的にも感じる筆致ですが、美しさの多様な文章表現は、感受性豊かな10代に刺さりました。
2冊とも事実をベースに書かれた本ですが、まさに事実は小説より奇なり。脳が作り出す奇妙な現実が、美しさの傍らにある。そんな内容に惹かれたのかもしれません。
文=吉田瑞穂
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