波瑠インタビュー「特殊能力を持っていようが、悲しみや痛みや不安を抱えてる。そこをうまく表現する必要があるとすごく勉強になった」
執筆者:長嶺葉月
InRed4月号のカバーに登場してくれた俳優の波瑠さん。現在出演中のドラマ「アイシー~瞬間記憶捜査・柊班~」で演じる特集能力を持つ刑事について語っていただきます。
Profile
はる・1991年6月17日生まれ、東京都出身。2006年、俳優デビュー。15年、NHK連続テレビ小説「あさが来た」で一躍注目を集める。直近の出演作に、映画『アナログ』、ドラマ「こっち向いてよ向井くん」「グレイトギフト」など。
芝居をする人間として、普通を表現する大切さを忘れずに
現在、主演ドラマ「アイシー~瞬間記憶捜査・柊班~」が放送中。瞬間記憶能力という特殊な能力を持つ役柄を演じる上で、波瑠さんが強く思うことがある。
「特殊能力がある設定って、私はずるいと思っていたんです。お芝居をしている人間としては、何よりも普通の日常を表現することが大切なのに、そこをひとつ飛ばして、困ったことも魔法のように解決してしまったとしたら歯痒いなって。ですが、実際に演じてみて感じたのは、特殊能力を持っていようが、彼女には彼女の悲しみや痛み、不安を抱えている。能力以前に彼女の人間の部分に視聴者のみなさんの心が寄り添えるように、うまく表現していく必要があるんだって、すごく勉強になったんです。キャラクターとして独立しすぎてしまわないように、境遇は違えど〝やっぱり何かわかるな〟という部分を持って見てくださるほうがドラマは断然面白いと思うので、私にとっても挑戦となる作品になっています。これまでにも刑事ドラマの経験はありますが、新人や後輩刑事だったので、上司に捜査状況を報告するセリフが圧倒的に多かったんです。ですが本作ではチームをまとめる主任なので、『わかった』とうなずく立場に。そんなところでも年齢やキャリアを重ねてきたんだなと感じますね。私が演じる役だけではなく、班に所属するメンバーそれぞれが背景を抱えていて、心が離れたり、また結束したり。舞台は警察ですけれど、職場の人間関係やコミュニケーションという点では共感できる部分が多くあると思います」
ドラマ「アイシー~瞬間記憶捜査・柊班~」
“カメラアイ”と呼ばれる瞬間記憶能力を持つ刑事・柊氷月(波瑠)が、忘れたくても忘れられない過去と向き合いながら、仲間とともに事件解決に奮闘する。毎週火曜21時〜フジテレビ系にて放送中。
Model=Haru
Photograph=YUJI TAKEUCHI (BALLPARK)
Styling=Keiko Miyazawa(WHITNEY)
Hair & Make-up=Ai Inuki
Interview & Text=Hazuki Nagamine
※InRed2025年4月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
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