【三山凌輝】強迫性障害を抱える主人公を熱演!映画『誰よりもつよく抱きしめて』の見どころ【インタビュー】
執筆者:杉嶋未来
日常のなかで生まれる感情を大事にしたヒューマンストーリー
もう一人の主人公、絵本専門店の書店員で良城の恋人、月菜を演じるのは、乃木坂46の久保史緒里さん。そして、月菜に惹かれる青年役に、韓国のアイドルグループ「2PM」のファン・チャンソンさん。3人ともアーティスト活動をしているという共通点があるが、現場はどんな空気感だったのだろう。
「僕は基本的に久保ちゃんとのシーンが多かったんですけど、チャンソンとも共演シーンが少しあって、それぞれと仲良くなりました。ある日、久保ちゃんとチャンソンの2人が現場に先に入って、後から僕が追いかけて現場入りした時、見たことない2人がいたんです(笑)。2人とも静まりかえっていて。「えーどうしたの?」っていつも通り話しかけたら、お互いに人見知りを発動していたっていう(笑)。なんか「くすぐったいな」と思って(笑)、そこから3人で話を広げて、久保ちゃんが「チャンソンさんってそんな人だったんですか?」って言い出したり、チャンソンも「久保ちゃんそんな喋るんだ?」って驚いて。僕が2人を楽しくできればないいなと思ったんですよね。2人とも面白いし、僕自身が2人ともそんなんじゃないじゃん!って嫌なんですよね」
取材時も、周囲を気遣い、明るいムードで場を盛り上げてくれた三山さん。この作品では、そんな彼の素は封印。強迫性障害による潔癖症に苦しんで悩み、生きることに不器用な青年を見事に体現して、俳優としての存在感を見せつける。
「この作品は恋愛がテーマですが、人間関係のもどかしさや葛藤を描いたヒューマンストーリーだと思います。人を理解したいけど、手が届かなかったり、理解度がお互いにズレていたり、自分のことを逆に棚に上げてしまうとか、そういうことはよくあると思うんですよね。そこで生まれてくるズレとか、理解し合えないもどかしさ、苛立ちなどの感情の変化だったり、摂理みたいなものがすごく詰め込まれていて、人の本質を捉えていますし、流れに沿った感情というものを大事にした作品になっていると思います。キラキラなラブストーリーというわけではないですが、きっと心に残る作品だと思うので、ぜひ観てほしいです」
Information
映画『誰よりもつよく抱きしめて』
『ミッドナイトスワン』の内田英治監督が、新堂冬樹の同名恋愛小説を映画化。鎌倉の海沿いの街で同棲する絵本作家の水島良城と書店員の桐本月菜。学生時代からの恋人同士である2人は互いのことを大事に思っているが、良城は強迫性障害による潔癖症のため常にビニール手袋を着用して生活しており、月菜にも触れることができずにいた。ようやく治療を決意した良城は、合同カウンセリングで同じ症状を抱える女性・村山千春と出会い、初めて悩みを共有できる相手に会えたうれしさから距離を縮めていく。2人の交流を目の当たりにして思い悩む月菜の前に、恋人と触れあっても心が動かないという青年イ・ジェホンが現れて……。主題歌は、BE:FIRSTの「誰よりも」。作詞はRYOKIとプロデューサーのSKY-HIがタッグを組んで手がけた。2025年2月7日より全国公開。
©2025「誰よりもつよく抱きしめて」HIAN /アークエンタテインメント
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Photograph=Dai Yamamoto Styling=Yutaka Asakura Hair&Make-up=Yuji Nishimura Text=Miku Sugishima
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