【30代女子必見アート情報】『デ・キリコ展』『生誕120周年 サルバドール・ダリ -天才の秘密-』キュレーター・林綾野さんが語るアートの見どころ

執筆者:林 綾野

《17世紀の衣装をまとった公園での自画像》 1959年 油彩・カンヴァス ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団 © Fondazione Giorgio e Isa de Chirico, Roma © Giorgio de Chirico, by SIAE 2024

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キュレーター・アートライターとして展覧会企画や、美術書の執筆を手がける林綾野さんが紹介するアート情報。今回は、東京都美術館で開催中の『デ・キリコ展』、福島・諸橋近代美術館で開催中の『生誕120周年 サルバドール・ダリ -天才の秘密-』をピックアップします。


美しくも奇妙キテレツシュールで幻想的な絵の世界

 20世紀を代表する画家の一人、デ・キリコ。彼は1888年、イタリア人の両親のもとギリシャに生まれた。その後ミュンヘンに移ってから絵を本格的に学び、画家への道を歩み始め、90歳で亡くなるまで創作を続けた。東京都美術館で開催中の『デ・キリコ展』では、若き頃から数多く描き続けた自画像や肖像画、そして不思議な雰囲気を放つ「形而上絵画」、西洋の伝統的な絵画の香り漂う作品群、さらに晩年に取り組んだ「新形而上絵画」まで百点以上の作品が集結する。

 目玉作品の一つは画家が自宅に飾っていたという《17世紀の衣装をまとった公園での自画像》。バロック時代の衣装を纏う自ら描いたもので古典絵画に傾倒したデ・キリコの敬愛の念と自己顕示が入り混じる奇想天外な作品だ。日本で10年ぶりとなる今回の大回顧展。デ・キリコの世界をここまで堪能できる機会は稀。幻想的な絵の数々をしっかりこの目で見ておきたい。

  福島、諸橋近代美術館では『生誕120周年 サルバドール・ダリ |天才の秘密|』展が開催中だ。1904年、スペイン生まれの彼は、23歳でパリに赴きブルトンなどシュルレアリスム(超現実主義)の作家と出会う。ダリは人間の夢と心の奥に潜む欲望を暴き、絵にしようとした。展覧会ではダリがいかなる芸術家で人間だったか、作品を通じてその謎に迫る。宇宙の彼方に存在する別世界のようなデ・キリコとダリの絵。シュールで幻想的な世界を旅するように楽しもう。

この記事を書いた人

キュレイター、アートライター。展覧会企画、美術書の執筆を手がける。画家の創作への想いや食の嗜好などを研究、紹介し、美術鑑賞をより身近なのとして提案。近年手がけた展覧会「おいしい浮世絵展」「堀内誠一 絵の世界展」「柚木沙弥郎life•LIFE展」「谷川俊太郎絵本百貨展」など。主な著作は『フェルメールの食卓』『ゴッホ 旅とレシピ』、『ぼくはクロード・モネ』(講談社)、『浮世絵に見る江戸の食卓』(美術出版社)など。

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