30代女性が注意したい女性特有の病気【産婦人科医監修】

ライフステージの変化の多い30代女性。毎日を忙しく過ごす中で、婦人科系の体調不良もで始める時です。女性ならではの病気について知っておきましょう。

尾西芳子先生

教えてくれたのは…尾西芳子先生
産婦人科医。神谷町WGレディースクリニック院長。雑誌などメディアへの出演や、デリケートゾーンケア「vagi」の商品監修など幅広く活動。美と健康に関する知識が豊富。

30代女性がかかりやすい病気って?

婦人科系の病気の中でも、30代が気をつけるべきものをピックアップ。どういう症状なのか把握しておけば、自分でも気づきやすくなります。

特に気をつけたい4つの病気

検診やワクチン接種で対策を【子宮頸がん】
HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することが原因で起こる、子宮の入り口にできるがん。20代後半から30代にかけて急増するため、InRed読者も注意が必要です。予防策として専用のワクチン接種があります。

性病検査も大切【性病】
クラミジア、淋菌、梅毒などを指します。感染すると、不正出血や性器のかゆみ、ただれ、体のだるさ、発熱などの症状が表れます。主な原因は、感染者との性交渉なので、パートナーが変わるタイミングで検査をしておくと安心。

不妊につながることも【子宮内膜症】
腸や卵巣などに子宮の内膜と似た組織ができてしまい、そこからも出血することがあります。炎症を起こしたり、周囲にくっつき「癒着」状態になると、生理の時以外でも排便痛や性交痛を感じるように。悪化すると不妊の原因にも。

初期症状はほとんどなし【子宮筋腫】
30代以降増えてくる、子宮にできる筋肉のこぶ。筋腫自体は悪いものではありませんが、できる場所や大きさによっては月経量が異常に多くなることや、便秘・貧血になることがあります。その場合は治療が必要になります。

月経にまつわるトラブルも!

生理痛がひどい人は要注意【月経困難症】
子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が原因の場合と、特定の原因となる病気はないが生理痛がひどい場合とがあります。生理痛だけではなく吐き気や頭痛など全身に症状の表れることがあり、まとめて月経困難症と呼ばれます。

読者でも悩んでいる人多数【PMS】
 生理前に生じ、生理が来ると3日以内に治る心身の症状の総称。その症状は200ともいわれており、婦人科での治療により症状を軽減することができます。我慢しないで受診し、相談するようにしましょう。

こんなサインに注意!

☑下腹部に痛みがある
☑月経量が増える
☑おりものの色や量がいつもと異なる
☑外陰部にかゆみがある
☑不正出血がある

予防・早期発見のためにできること&セルフケア

予防や対策につながることを教わりました。できることからトライしましょう。

規則正しい生活を送るよう心がける
3食きちんとバランスのとれた食事をとり、有酸素運動を取り入れるなど、生活習慣を整えることは、健康ケアの基本。PMSは生活習慣を改めると改善するというデータも。

自分の体調の変化をメモする
基礎体温や生理日、日常の体調変化を記録するのがおすすめ。日頃から自分のリズムや体の状態を把握できます。簡単に記録できるアプリもあるので、活用してみて。

1年に1回は定期検診を受ける
子宮頸がんのほか、乳がんも30 代で急増するがん。定期検診を受けて、自分の体を振り返る機会を作りましょう。会社員の人なら、会社の健康診断にプラスして検診を受けるといいでしょう。

かかりつけの婦人科医を持つ
「こんなことで行っていいの?」と思わず、何か気になることがあったら、婦人科で受診を。気軽に相談できるかかりつけの婦人科医を持つことは大切です。

Illustration_IKULA Text_Momoyo Yuge

※InRed2023年4月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください。

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