OSHI-KATSU
【3月に行きたいアート情報】アートにみなぎる生命力を感じよう!
執筆者:林 綾野
キュレーター・アートライターとして展覧会企画や、美術書の執筆を手がける林綾野さんが紹介するアート情報。今回は、静岡・MOA美術館で開催の名品展 国宝『紅白梅図屏風』、神奈川・ポーラ美術館で開催の企画展『SPRING わきあがる鼓動』をご紹介します。
うねる幹、伸びる枝、可憐な花
生命の力みなぎるアート
江戸時代中期に活躍した琳派の絵師、尾形光琳。熱海のMOA美術館で開催されている、『名品展 国宝 紅白梅図屏風』では、その最晩年期の傑作であり、国宝に指定されている「紅白梅図屏風」を見ることができる。
二曲屏風、つまり2枚の屏風が並ぶ形で1つの画面を成す本作。金で彩られた豪奢な背景に、中央に隆々と流れる川は銀地で表される。そして流水を挟んで向かって右に紅、左に白の梅の木が可憐に佇む。煌びやかな画面は装飾的でありながらも、梅のうねる幹、しなやかに伸びる枝はいきいきたくましく、樹々の生命力が伝わってくる。美術館のある熱海は梅の名所でもあり、本作は毎年、梅の花が咲くこの季節のみ公開される。さらに本展では同館が所蔵するもう2点の国宝、「色絵藤花文茶壺」(野々村仁清・江戸時代)、「手鑑 翰墨城」(奈良―室町時代)も展示される。貴重な文化財をまとめて見ることができる貴重な機会だ。
箱根、ポーラ美術館では『SPRINGわきあがる鼓動』展が開催中。春の芽吹のようにふつふつと湧き上がる力を絵画、彫刻、工芸、インスタレーション作品に見出し、感じる展覧会だ。
歌川広重による東海道五十三次シリーズなどの風景画や、名和晃平の「Pix Cell-Deer#74」のように生物の最小構成単位である「細胞」やデジタルにおける画素のありようを融合させた現代美術作品まで、多様な世界を味わえる。
生命力あふれる作品と向き合い、アートの中に躍動する力に触れてみよう。
文=林綾野
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