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クロード・モネ《瞑想、長椅子に座るモネ夫人》 1871年 油彩 / カンヴァス 48.2×74.5㎝ オルセー美術館、パリ © GrandPalaisRmn (musée d'Orsay) / Gérard Blot / distributed by AMF

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【1月に行きたいアート情報】モネの魅力を堪能できるアートの展覧会2選

執筆者:林 綾野

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キュレーター・アートライターとして展覧会企画や、美術書の執筆を手がける林綾野さんが紹介するアート情報。今回は、東京・国立西洋美術館で開催の『オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語』、広島県・ひろしま美術館で開催の特別展『白の魔法-モネ、大観も使った最強の色-』をご紹介します。


アンニュイなモネの妻
印象派の意外な魅力を発見

 窓からレースのカーテン越しに柔らかな光が注ぐ室内。長椅子に腰掛けた女性は読みかけの本を手にぼんやりと佇む。この絵を描いたのは印象派の画家モネ。女性は彼の最初の妻でその後32歳で亡くなってしまうカミーユだ。

 国立西洋美術館では『印象派|室内をめぐる物語』展が開催中。印象派といえば移ろう陽の光をそのままに捉える風景画を思い浮かべるが、本展ではモネやルノワール、モリゾなどが描いた室内をめぐる表現に着目する。

 印象派が活動した1870年代のパリでは近代化が進み、市民の暮らしにも変化が訪れる。画家たちは現代生活の情景や室内での家族や友人たちの様子も絵の題材として選ぶようになっていく。《瞑想、長椅子に座るモネ夫人》もそんな一点。何気ない日常の一場面の中に精細な光の効果、人物の心理を映し出す描写が込められている。展覧会には日本初公開となるドガの《家族の肖像(ベレッリ家)》をはじめ、約百点が並ぶ。室内をテーマとすることで見えて来る印象派の魅力を堪能しよう。

 ひろしま美術館では『白の魔法‒モネ、大観も使った最強の色‒』展が開催される。古今東西の絵において「白」が果たしてきた役割をテーマとした本展。霜の降りる寒い朝の風景を描いたモネの《コロンブの平原、霜》をはじめとする東西の名品から色なき白の存在があってこそなされた表現の世界に迫る。

 印象派における室内、絵画においての白。斬新な着眼点を持つことで普段は見えないものが見えるかもしれない。

文=林綾野

この記事を書いた人

キュレイター、アートライター。展覧会企画、美術書の執筆を手がける。画家の創作への想いや食の嗜好などを研究、紹介し、美術鑑賞をより身近なのとして提案。近年手がけた展覧会「おいしい浮世絵展」「堀内誠一 絵の世界展」「柚木沙弥郎life•LIFE展」「谷川俊太郎絵本百貨展」など。主な著作は『フェルメールの食卓』『ゴッホ 旅とレシピ』、『ぼくはクロード・モネ』(講談社)、『浮世絵に見る江戸の食卓』(美術出版社)など。

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