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佐久間大介(Snow Man)、内田組で掴んだ「映画芝居の真実」。『ナイトフラワー』で「嘘がつけない」俳優の葛藤

執筆者:杉嶋未来

辛い現実の中でも誰かに
救われる希望を感じてほしい

 今回、内田組で学んだのは〝映画芝居〞のリアリティだった。

「前回はキャラクター性の強い役でしたが、今回は普通の男の子だったので、逆に難しかったです。僕自身ちょっとバグってるというか(笑)、声も大きいしリアクションも派手なので、この世界では目立ちすぎるって監督に言われました。怒るにしても、感情をバンッと出すんじゃなくて、グッと抑えた状態で怒る。そのバランス、声量や表情のキビをまとめ上げるのが難しかった。監督がよく言うんです。〝大きいスクリーンは嘘がつけない〞って。ほんの少しのズレもバレる。映画は、誇張がきかない分リアルさが命なんです」

 現実と理想のはざまで、それでも愛する人を守ろうとする海。その繊細な愛の形を通して、佐久間さんはまた一つ、俳優としての新たな扉を開いた。

「目を覆いたくなるような現実がありながら、友情や誰かの存在に救われる。映画を観た方にも、そんな希望を感じていただけたらうれしいです。これからも、どんな役の中にも生きている人間の温度を残せる俳優でありたい。そこを突き詰めていきたいと思っています」

Information

映画『 ナイトフラワー』

Ⓒ2025「ナイトフラワー」製作委員会

借金を抱え、日々の暮らしに困窮する母親の夏希が、二人の子どもを育てるため、孤独を抱えた女性格闘家・多摩恵をボディーガードにして、ドラッグの密売に手を染めていく姿を描く。夏希を演じるのは、北川景子。共演は森田望智、SUPER BEAVERの渋谷龍太。公開中。

Photograph=Takumi Taniguch〈Pygmy Company〉 Styling=Nao Watanabe〈Creative GUILD〉 Hair & Make-up=Haruka Miyamoto Text=Miku Sugishima

※InRed2025年12月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください。

この記事を書いた人

舞台の制作を経てライターへ。女性誌、インタビュー誌、劇場用パンフレットやwebサイトで音楽、映画、舞台、ドラマなどエンタメ系のインタビューやレポートを執筆。著書に『ぜんぶ! 海外ドラマ』がある。

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