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【宮田愛萌】「今の私にちょうどいい」と語る、2冊の愛読書を公開
執筆者:InRed編集部
InRed世代に読んでほしい本をご紹介!今回は、『おいしいはやさしい』(PHP研究所)を発売した、作家・タレントの宮田愛萌さん推薦の2冊です。
今の私にちょうどいい
静かに心を満たしてくれる本
大人になってやっと、私は派手な作品よりも繊細で淡々とした作品を好んで読むことに気がついた。淡々と、というか、こう、彩度の低い雰囲気の物語。おしゃれなインスタグラムのような雰囲気に近いかもしれない。
彩瀬まるさんの『神様のケーキを頰ばるまで』もそんな物語である。とある雑居ビルの中で生きている人々の生活を描いた短編集だ。人生の中にある小さな変化、けれどそれが自分の意思で変えたことならば、ゆっくりとでも人生はよい方向に変わっていくだろうと希望をくれる。明るさと静けさが両立するこの本は、幸せな午後も憂鬱な夜中も隣で寄り添ってくれるだろう。
江國香織さんの『抱擁、あるいはライスには塩を』は、よそから見たら「普通」ではない家族三世代の物語だ。江國香織さんの描く家族の物語は「普通」でないことの方が多いが、その中でも特に、この本の主人公たちは変わっている。それなのに、読んでいくといつの間にかこの「普通」じゃない、というところを当たり前のように受け入れているのだからすごいと思う。上下巻にわたる濃密な一家の歴史を辿れる物語は、読んだ人をここじゃないどこかへ連れて行ってくれる。
読書は一人でするものだから、その時に合った本を読みたいと思う。
文=宮田愛萌
この記事を書いた人
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