OSHI-KATSU
【有村架純】インタビュー「どんなに忙しくても、いつも福山さんはフラットでいてくださって、決して現場の空気をピリピリさせない。そのおかげで笑いの多い現場でした」
執筆者:長嶺葉月
便利であることは悪くはないけど、もっと大事なこともあるよねと、考えさせられました
有村さんが演じたのは、中学教師である父親を何者かに殺害された女性・真世。明るすぎず、暗すぎず、真面目に仕事をこなすが、心の奥底には父に対して凝り固まった思いを抱えている役どころ。
「父が教師だったことで感じたコンプレックスや、向き合えなかった後悔。それがずっとコンクリートみたいに心の奥に残っている女性です。普通に生きてはいるけれど、そういう気持ちが、父親とのコミュニケーションの希薄さを生んで、いろんな掛け違いが生まれていく。それが近代社会でも通じるテーマだと思いました。作品を通して、改めて考えたのは、“便利さ”の裏にある大切なもの。今はスマホひとつで、会社を辞めることもできてしまうけれど、果たして『それでいいのかな』と。便利であることは悪くはないけど、もっと大事なこともあるよねと、真世を通して自分も考えさせられました。人とどう関わるかって、本当に難しいこと」
映画『ブラック・ショーマン』
元中学校教師の父親を殺された真世(有村架純)が、卓越したマジックの技と人間観察力を誇る元手品師の叔父・神尾武史(福山雅治)と共に事件の真相を追う。2025年9月12日より、全国東宝系にてロードショー。
©2025映画『ブラック・ショーマン』製作委員会
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Model=Kasumi Arimura Photograph=Bungo Tsuchiya 〈TRON〉
Styling=Noriko Sugimoto 〈WHITNY〉 Hair & Make-up=Izumi Omagari
Text=Hazuki Nagamine
※InRed2025年10月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
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