【6月公開映画】放送作家・町山広美の映画レビュー『フォーチューンクッキー』、『親友かよ』
執筆者:InRed編集部
『親友かよ』は、ドラマや映画で世界的なヒットを飛ばし始めたタイの青春娯楽作。大国の地位揺らぐアメリカの新政策の視界にちらつく邪魔者は、まさにこういう映画かもしれない。
転校した高校で隣の席の子が事故死、訳あって親友を自称し、追悼映画を撮ることになってしまう。青春のマヌケと切なさが弾けまくる物語。
ストーリー開発の果てに行き着いたような、語り手主導が過ぎる二転三転の展開なのに、どうにも映画に愛嬌と活気がある。なにより男の子も女の子も、生気に満ちてキラキラ輝いている。
かつて映画によって世界を憧れさせたアメリカ。映画を通してこの国の青春に、皆が恋焦がれた。そして今、例えばこの映画を見て、タイの青春に世界中の若い世代が憧れるだろう。その思いは法律や金で変えられるものか。男の子女の子の輝きは、きっと軽やかに国を超える。
『フォーチューンクッキー』
23年 アメリカ 91分 監督:ババク・ジャラリ 出演:アナイタ・ワリ・ザダ、グレッグ・ターキントン、ジェレミー・アレン・ホワイト 6/27(金)よりシネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
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『親友かよ』
23年 タイ 130分 監督・脚本:アッター・ヘムワディー 出演:アンソニー・ブイサレート、ピシットポン・エークポンピシット、ティティヤー・ジラポーンシンほか 6/13(金)より新宿シネマカリテほか全国順次公開
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文=町山広美
放送作家、コラムニスト。担当番組に「有吉ゼミ」「マツコの知らない世界」など。東京と沖縄で2拠点生活をしている。
イラスト=小迎裕美子
※InRed2025年7月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
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この記事を書いた人
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