【西野カナ】【あいみょん】共感度の高い楽曲を生み出す二人の歌姫

執筆者:吉田可奈

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まるで自分のことを歌っているかのように聞こえる共感度の高い楽曲を生み出す西野カナとあいみょん。歌詞をじっくり読みながら聴いてみて。

伝説の歌姫がついにカムバック!

 恋をした時、恋に悩んだ時、恋が成就した時、失恋した時……。そんな恋愛のあらゆるシーンで、ラブソングと自分を重ねてしまう人も多いはず。なかでも、自分のことを歌っていると思わず錯覚してしまうような共感度の高い楽曲を多く生み出している“ラブソングの歌姫”西野カナがついにカムバックを果たしました。 

 活動休止から5年。久しぶりに聴かせてくれたのは、イントロの最初のピアノの旋律から“帰ってきた!”と胸を高ぶらせてくれる切ないラブソング、「EYES ON YOU」。復帰後は、一体どんなラブソングを聴かせてくれるのだろうとワクワクしていたファンの期待に大きく応えるように、この曲は恋人への愛が大きすぎるがために不安を抱き、“「愛している」だけじゃ嫌だ”と歌う、まさに“西野カナ節”のきいた一曲。強く、素直に、時にわがままになってしまう気持ちをうまくコントロールできない恋を歌った新曲は、聴けば聴くほどにいつかの自分と重ねてしまうはずです。

 同じく、恋愛中のリアルな気持ちをさらけ出すように歌うあいみょんも同時期に待望のフルアルバムをリリースします。彼女が描く歌詞は、思っている言葉を直接ぶつけるというよりも、自分のなかで自問自答しつつ、呟くようなものが多く、こちらも共感度はかなり高いものばかり。アルバム『猫にジェラシー』に収録されている「駅前喫茶ポプラ」では、可愛らしいカップルのちょっとしたしぐさや、態度であらためて相手を好きだと認識する瞬間を描いていて、まるで一本の映画を見ているよう。そのほかの曲も、シーンがしっかりと想像できるからこそ、より楽曲の主人公にどっぷり感情移入してしまうのかもしれません。 

 タイプは違えど、どちらも好きな人への気持ちの機微や、二人でいる瞬間を切り取ったかのような楽曲たちは、数分間だけなのに、大きな充実感を得られるはず。思わず、曲の主人公に対し、あの子はいま、どうしているのかなと思ってしまうような楽曲を生み出す二人の世界観を堪能してみてください。

『Love Again』西野カナ

『Love Again』西野カナ

復帰を華やかに彩る新曲5曲を収録したEP。先行配信曲「EYES ON YOU」の他に、疾走感あふれるビートに乗せて15歳の頃の気持ちを振り返る「15」、諦めきれない片思いを西野カナらしいユーモアとウィットに富んだ歌詞で描いた「また君に恋をする」など名曲揃い。

Sony Music Labels/初回盤¥2,750、通常盤¥1,950/発売中

profile:西野カナ
2008年にデビュー。リアルな恋愛観を綴った歌詞と、心地のよい歌声、さらにファッションアイコンとして絶大な人気を集め大ブレイク。2019年に無期限の活動休止を発表し、2024年にデビュー15周年を記念したベストアルバムとMVコレクションをリリース。そして2024年6月25日に活動再開を発表。

『猫にジェラシー』あいみょん

『猫にジェラシー』あいみょん

2年ぶりとなるフルアルバムが完成。ドラマ「アンメット」の主題歌「会いに行くのに」、ドラマ「降り積もれ孤独な死よ」の主題歌「ざらめ」など耳なじみのあるヒット曲がぎっしりと詰まった全13曲。タイトル曲の「猫にジェラシー」はとびきりキュートなラブソング。

ワーナーミュージックジャパン/初回限定盤(CD+2BD)¥7,920、初回限定盤(CD+2DVD)¥6,820、通常盤¥3,300/発売中

profile:あいみょん
2016年にシングル「いきていたいんだよな」でメジャーデビュー。翌年にリリースした「君はロックを聴かない」がロングヒットとなり、ブレイク。2018年には紅白歌合戦に出演。DISH//へ楽曲提供した「猫」も大ヒット。その後もコンスタントにヒット曲を連発し国民的アーティストヘと成長。

※InRed2024年10月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください。

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この記事を書いた人

エンタメ系フリーライター。作詞家。シングルマザー。飼い猫の名前はデデ丸。著者本「うちの子、へん?」 「シングルマザー、家を買う」(ともに扶桑社)発売中。音楽、映画、舞台、アイドル、タイ、オタク事が得意。

Twitter:@knysd1980
Instagram:@kana_yoshida1226

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