【猪狩蒼弥】「芝居は真剣にやるほど楽しいと思った作品」映画単独初出演作について語る
執筆者:杉嶋未来
人気グループ、HiHi Jetsの猪狩蒼弥さんが、『先生の白い嘘』で映画単独初出演。物語のキーパーソンとなる難しい役を演じ切った猪狩さんが、役作りから作品への思いなどを語ってくれました。
profile
猪狩蒼弥
いがり・そうや 2002年9月20日生まれ、東京都出身。HiHi Jetsのメンバー。個人としての主な出演作は、ドラマ「恋の病と野郎組」シリーズなど。映画『恋を知らない僕たちは』が8月23日公開。
芝居は真剣にやるほど楽しいと思った作品
男女間の性の不条理を真正面から描いた鳥飼茜の同名マンガを実写化した『先生の白い嘘』。主人公である高校教師・美鈴が、“自らの性に対する矛盾した感情”や男女間に存在する“性の格差”に向き合う物語だ。猪狩さんは、今作で映画単独初出演ながら、物語の鍵を握る男子生徒・新妻役に抜擢された。
「原作を時間をかけて読み込んだところ、とてもセンシティブで、日常生活の中では話題にしないような内容でした。それを作品に昇華して誰かに伝えることは、すごく意義深いことだと感じましたし、半端な気持ちではできないと責任を感じました」
新妻は、強烈な性のトラウマを抱えている役どころ。猪狩さんは、当時の自分の置かれた状況が、新妻の孤独や焦燥感と重なったと語る。
「撮影中は富山に滞在して、家族にもメンバーにも会えない環境でした。基本、どこで何をしていても作品のことしか考えられず、作品に向き合っていました。そして、三木(康一郎)監督や奈緒さん、風間(俊介)さんという一流のみなさんに、自分が追いつかなきゃいけないという焦りも。その焦燥感や孤独が新妻に重なっていて、新妻の気持ちを肌で感じることができました」
俳優という仕事の難しさと楽しさ。両面を感じ、魅了されたという。
「この作品を撮ってから2年。あれでよかったのかなって考えたりしていましたが、いざ試写を見た際、カタチになることの喜びを感じました。お芝居は真剣にやればやるほど楽しいんだろうなと思った作品です」
information
『先生の白い嘘』
親友の婚約者との関係をひた隠しにする高校教師、原美鈴の日常が、男子生徒、新妻の不倫疑惑事件をきっかけに崩れ始める。自らの性に対する矛盾した感情や男女の性差に葛藤する美鈴を奈緒が演じる。7月5日全国公開。
Photograph=Yuhki Yamamoto Styling=Yojiro Kobayashi Hair&Make-up=Yousuke Asazu Text=Miku Sugishima
※InRed2024年8月・9月合併号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
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