【オススメ書籍】相撲女子・山根千佳さんが影響を受けた書籍2選
執筆者:InRed編集部
InRed世代に読んでほしい書籍をご紹介!今回は、『山根千佳の大相撲の歩き方』(マイクロマガジン社)を出版した、タレントの山根千佳さん推薦の2冊です。
心の余裕と美しさへの探求を思い出させてくれた本
鳥取から上京して約12年。いつの間にか視野が狭くなり、生きることに酸欠状態だった私に「長い人生の中で一息ついて周りを見渡してみると、自分が思うより周りの人はそんなに冷たくないよ」と再認識させてくれたのが、『ロバのスーコと旅をする』という本です。私は本来、せっかちで、計画通りに話が進まないと気がすまない性格ですが、この作品は、「日々焦りすぎていないか?」「自分が本当にしたいことができているか?」といった、目まぐるしい日々の中で忘れそうになる感情に対して、〝優しく落ち着いて考えてごらん〟と諭してくれているようでした。作中の目的のない旅のように、心の赴くまま新たな発見に向かって生きることもまた、余裕のある人間になるために必要なことだと感じました。
梶井基次郎さんの著作『桜の樹の下には』の冒頭《桜の樹の下には屍体が埋まっている!》の一文はあまりにも有名ですよね。この作品は「誰にでも美しさの裏には秘密がある」「努力なくして美しくいられる人なんかいない」ということを伝えているのだと思います。桜の花でさえも美しくあるために秘密を持っているのに、自分は美しくいるためにどれほどの努力ができているか……と身につまされる思いです(笑)。いつまでも、桜のように〝人を惹きつける力〟を持っていたいものです。
文=山根千佳
『ロバのスーコと旅をする』
高田晃太郎著/河出書房新社
ロバと歩いて旅したい。新聞記者の職を辞し、「私」は旅に出た―。雌ロバ、スーコとの旅路の様子をSNSに投稿して一躍話題を集めた著者が、朗らかなロバ達と歩いた日々、出会い、別れ、葛藤などをしなやかに綴る。
『梶井基次郎全集』
梶井基次郎著/ちくま文庫
大正時代~昭和時代初期の小説家・梶井基次郎(1901-1932年)の著作「檸檬」「泥濘」「桜の樹の下には」「交尾」をはじめ、習作・遺稿をすべて収録し、梶井文学の全貌を伝える。一巻に収めた初の文庫版全集。解説は高橋英夫。
今回、おすすめ書籍を教えてくれたのは…
山根千佳さん
1995年生まれ、鳥取県出身。「第37回ホリプロタレントスカウトキャラバン」ファイナリストとなり芸能界デビュー。相撲好き女性「スー女」の第一人者として、相撲関連の番組やイベントに多数出演。
『山根千佳の大相撲の歩き方』
¥1,760/マイクロマガジン社
相撲をとことん楽しむ見方、本場所や巡業、取組みの観戦ポイントなど、楽しい知識を詰め込んだ大相撲ガイドブック。初心者はもちろん相撲ファンまで楽しめる、さまざまな角度から相撲の魅力を深く知れる一冊。
※InRed2024年8月・9月合併号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
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この記事を書いた人
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