通し狂言『妹背山婦女庭訓』 <第二部> 『さいたま国際芸術祭2023』 『無駄な抵抗』【伊達なつめさんの一押しステージ情報】
演劇ジャーナリスト・伊達なつめさんのおすすめ作品をご紹介。今回は、通し狂言『妹背山婦女庭訓』 <第二部>、『さいたま国際芸術祭2023』、『無駄な抵抗』の3本をピックアップ!
初代国立劇場歌舞伎公演を締めくくる!
通し狂言『妹背山婦女庭訓』 <第二部>
大劇場の歌舞伎、小劇場の文楽、演芸場の落語、無料で見学できる伝統芸能情報館と、日本の古典芸能の上演と保存に多大な貢献をしてきた初代(!)国立劇場が、建て替えのため10月末で閉場となる。二代目のお目見えはだいぶ先になりそうなので、ゴージャスな初代の内観を瞼に焼き付けておく、これがラストチャンスだ。
作=近松半二 脚本=戸部銀作 美術=高根宏浩
出演=尾上菊五郎、中村時蔵、尾上菊之助、坂東彦三郎、中村梅枝、中村萬太郎、中村米吉、河原崎権十郎、中村芝翫、中村歌六 他
10月4日(水)~26日(木) ※10日(火)・20日(金)休演 国立劇場 大劇場
(問)国立劇場チケットセンター TEL0570-07-9900
“バレエをやめた者たち”による上演作品も!
『さいたま国際芸術祭2023』
再開発が進む大宮駅西口に対して、氷川神社を中心とした旧市街の、ちょっと寂れた味わいが魅力の東口エリアで展開する芸術祭。各会場を移動する道すがらにも発見がある動線が企図されるというから楽しみだ。習い事からプロまでの“バレエをやめた者たち”による『指揮者が出てきたら拍手をしてください』などライブ上演作品も魅力。
10月7日(土)~12月10日(日) 旧市民会館おおみや(メイン会場)他、市内の文化施設やまちなか各所
(問)『さいたま国際芸術祭2023』公式サイト https://artsaitama.jp
ギリシャ悲劇の大テーマ“運命”を描く
『無駄な抵抗』
日常生活に紛れ込む非日常や、価値観の揺らぎをテーマにしてきた前川知大が今回突きつめるのは「運命は決まっているのか」問題。「努力したところで無駄なのでは?」と弱音を吐きがちな現代人の恒常的な不安について、半端なく壮絶な運命論を展開するギリシャ悲劇『オイディプス王』を引き合いに出して追求する。
作・演出=前川知大
出演=池谷のぶえ、渡邊圭祐、安井順平、浜田信也/穂志もえか、清水葉月、盛 隆二、森下 創、大窪人衛/松雪泰子
11月11日(土)~26日(日) 世田谷パブリックシアター ※兵庫公演あり
(問)世田谷パブリックシアターチケットセンター TEL03-5432-151510
文=伊達なつめ
演劇ジャーナリスト。演劇、ダンス、ミュージカルなど、国内外のあらゆるパフォーミングアーツを取材し、多数の雑誌・webメディアに寄稿。世界ステージ・カレンダーwithコロナhttp://stagecalendarcv19.com
※InRed2023年11月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください。
※地震や天候などの影響により、イベント内容の変更、開催の延期や中止も予想されます。詳細はお問い合わせ先にご確認ください。