【マカロニえんぴつ】【ヤングスキニー】エモーショナルな愛を歌うロックバンド
ライター・吉田可奈さんのおすすめの新譜情報をご紹介。疾走感あふれるロックサウンドに乗せるのは、リアルで、共感度の高い言葉たち。今回は聴けば心を掴まれるマカロニえんぴつとヤングスキニーです。
いつかの自分と重なる名曲に出会えるはず
エモーショナルなバンドサウンドに乗る、“わかる”と心から共感できる歌詞。それらの曲は、苦しい時、悲しい時にエールソングとなって支えてくれるもの。さらに、ふと聴いた曲が、“そんな気持ちの時もあったな”と胸を締め付ける、大事な曲になることも。そう感じさせてくれるのは、心に届く言葉がとてもリアルで、時に痛くて、愛おしいから。そんなバンドサウンドを聴かせてくれるマカロニえんぴつと、ヤングスキニーが同時期に新譜をリリースします。
国民的バンドへと成長したマカロニえんぴつのニューアルバム『大人の涙』は、力強く気持ちをぶつけていたような初期の楽曲とは違う、自分以外の誰かを強く思うからこそにじみ出てくる喜怒哀楽を歌った楽曲が並びます。タイトルの『大人の涙』も、はっとりさんいわく、自分のために流すのではなく、誰かのために流す涙のことなんだとか。それを踏まえて収録された曲を聴くと、どれも愛がゆえに選んだ道が描かれていて愛おしい曲ばかり。年齢を重ねるごとに、視野が広くなり、許せることも多くなり、その半面、自分を大事に考えられることも増えたからこそ言えること、選べることがしっかりと物語になり楽曲となっているからこそ、InRed世代にはしっかりと響くはずです。
対する、平均年齢21歳の新進気鋭のバンド、ヤングスキニーのメジャー1stEP『どんなことにでも幸せを感じることができたなら』は、大好きな人への真っすぐな思いを瑞々しく、ぶつけるような歌詞と、それを後押しするような疾走感あふれる「君の街まで」や、大切な友達へ、面と向かっては照れくさくて言えない、直球の思いを伝える「愛すべき日々よ」など、どこかこそばゆい、でもすがすがしくて気持ちいい楽曲を聴かせてくれます。かと思えば、自分の気持ちを抉り出すような後悔を歌う「君じゃなくても別に良かったのかもしれない」なども含めて、彼らのリアルな日常をのぞき見しているような気持ちにもなれるはず。
気持ちのいいバンドサウンドに気持ちを乗せて聴かせてくれる彼らの楽曲。じっくりと味わい、新たな魅力を発見してみてください。